Admissions Data

私立医学部
推薦・英検・地域枠データベース

27大学の「一般選抜以外の入り口」を、同じ物差しで横に並べました。授業・進路指導にもお使いいただけます。

27大学
推薦・総合型・地域枠を横断比較
4大学
併願できる年内・特別入試を持つ大学
1.6〜18
推薦の倍率は大学で10倍以上違う
私立医学部の入り口は一般選抜だけではありません。しかし推薦・総合型の制度は大学ごとにバラバラで、「専願か併願可か」「英検は使えるか」「地域枠の勤務義務は何年か」を27大学分調べ歩くのは大変な作業です。このページは、大学公式の募集要項・入試結果と複数の医学部専門予備校の公開情報を横断照合し、2026年度入試の実績(判明分は2027年度の変更点つき)で1ページに集約したものです。制度は毎年変わります。最終確認は必ず当年度の募集要項原本で行ってください。

① 27大学 推薦・総合型選抜の横断比較

まず全体像です。推薦・総合型が「ない」大学が6校(慶應※・慈恵・順天堂※・杏林・東北医科薬科※・国際医療福祉※——※印は総合型・特別選抜のみあり)ある一方、年内に40名以上を採る大学(福岡・東京医科・埼玉医科・北里・女子医など)もあります。評定基準は「なし」から4.3まで、浪人可否は「現役のみ」から5浪までと、条件の幅は驚くほど広いのが実態です。

大学推薦・総合型(人数)専願/併願評定基準浪人直近の倍率目安
岩手医科公募12・地域枠A15/B8・秋田2+総合型8すべて専願公募4.0/地域枠A 4.31浪可2.0〜3.9倍
東北医科薬科推薦なし。総合型(東北地域定着枠)20専願3.85浪可4.0〜6.6倍
獨協医科公募10・指定校約20・地域枠指定校11・系列約10専願公募4.0現役のみ公募4.7倍
埼玉医科公募14・埼玉県枠19・指定校5・特別枠2専願4.0(指定校3.8)1浪可2.6〜3.6倍
北里指定校38+地域枠指定校16(公募なし)専願非公表(高校に通知)現役のみ1.5〜3.3倍
杏林なし
帝京公募15+総合型10公募専願/総合型は併願可公募4.0(総合型は不問)公募現役/総合型1浪可公募4.8倍・総合型16.6倍
慶應義塾なし(内部進学約39名/年)
東京慈恵会医科なし
順天堂推薦なし。国際臨床医・研究医選抜(計約9)国際選抜は併願可なし
昭和医科公募10〜12(2026新設)+卒業生推薦10 → 2027年度17名へ拡大・指定校新設専願公募4.3現役のみ新設のため蓄積中
東京医科公募20・地域枠15・全国ブロック6(2027年度12)・英語検定枠3すべて専願全区分4.0公募現役/他は1浪可公募4.7〜4.9倍
日本医科なし(グローバル特別選抜10は一般の一種)グローバルは前期と併願可なし浪人可12.6倍
東邦総合入試約10+付属推薦約20+同窓生子女約5専願総合3.8(数理各4.0)総合1浪可総合11.0倍
日本公募5・地域枠推薦4・校友枠5(2026新設)専願4.01浪可※資料により現役のみ新設のため蓄積中
東海推薦なし。総合型「希望の星育成」10併願可(要項明記・辞退可)なし(2025撤廃)現役のみ10.2倍(急上昇中)
聖マリアンナ医科公募約20+神奈川県枠7専願(学内2方式の併願可)3.8かつ数理外各4.0現役のみ1.9〜4.2倍
東京女子医科推薦約38(2027年度約40)+総合型約19を2027新設専願(単願)4.1→4.0(2027)/総合型3.81浪可/総合型5浪可1.9倍前後で安定
国際医療福祉推薦なし。総合型10を2027年度新設総合型は専願なし1浪可2027年度初実施
愛知医科公募約20+愛知県地域枠A約5専願3.7(数学・理科・外国語も各3.7)1浪可2.9〜5.2倍
藤田医科総合型「ふじた未来」12(独創一理枠含む)専願(国公立医合格時のみ辞退可)なし現役のみ5.8〜9.2倍
近畿公募推薦25(2027年度30へ増員)併願可(公式明記)なし1浪可11.4〜14.4倍
関西医科特別枠10・一般枠8・特色選抜2(2027年度)特別枠専願/一般枠・特色は併願可特別枠4.0/一般枠3.51浪可約4〜7倍
兵庫医科公募約23(関学特別3含む)・地域指定5+総合型(一般5・卒業生子女3・IB2ほか)専願(学内併願は可)公募4.01浪可公募4.2〜5.9倍
川崎医科附属高推薦約30のみ+総合型(中四国約20・特定診療科約4・霧島市約1)専願(枠間併願不可)なし総合型は4浪可中四国枠3.0倍
福岡A方式40(地域枠10・附属最大8含む)専願3.71浪可約4.6倍(一般は20倍超)
久留米公募A約8・久留米特別枠約20・福岡県特別枠4他大学へは専願(学内3方式併願可)なし(2024年度に廃止)公募1浪/特別枠2浪可10〜18倍(一般より高い)

※人数・区分は2026年度入試ベース(→表記は2027年度の判明分)。指定校推薦・付属校推薦は在籍校経由でしか出願できません。地域枠の詳細は④参照。

② 「併願できる年内・特別入試」は実はある — ただし条件つき

私立医学部の推薦は「専願(合格したら入学確約)」が原則です。しかし例外が存在します。国公立志望者や複数校併願者でも出願できる枠は、受験戦略の自由度を大きく変えます。

大学・方式時期併願の扱い実質的な注意点
近畿大学 推薦(一般公募)25→30名一次11月下旬・二次12月上旬公募併願制。他大学との併願可能と公式明記合格後12月下旬までに入学金+前期授業料の一括納入が必要(辞退申出は翌3/31まで。返還範囲は要項確認)。倍率14倍前後・合格ライン76%と決して易しくない
東海大学 総合型「希望の星育成」10名秋出願→共通テストで最終判定併願可・辞退可(要項明記)現役のみ。志願者が3年で約2倍に急増(2026年度10.2倍)
帝京大学 総合型選抜10名年内1次→共通テストが2次併願可・評定不問・1浪可門戸が広いぶん志願殺到(2026年度16.6倍)。「併願可=入りやすい」ではない
日本医科大学 グローバル特別選抜10名一般前期と同日程一般前期と併願可(併願受験料設定あり)英検準1級等が出願資格。学科試験は前期と共通
順天堂大学 国際臨床医・研究医選抜年内〜同年度の一般選抜等と併願可TOEFL iBT72/英検CSE2304以上等が出願資格
関西医科大学 一般枠推薦8名・特色選抜2名年内併願制(特別枠10名のみ専願)一般枠は評定3.5。特色選抜英語型は英検準1級相当が出願資格

読み方の注意:「併願可」は「入りやすい」を意味しません。むしろ併願可の枠には国公立志望の上位層が集まり、倍率・合格ラインとも高くなる傾向があります(近畿14倍・帝京16.6倍・東海10.2倍)。併願可の枠の価値は合格しやすさではなく、「本命の受験勉強を止めずに、年内に合格を1つ確保できる(かもしれない)」という保険機能にあります。逆に専願の推薦は、倍率が2〜5倍まで下がる大学が多く、「この大学に決められる」受験生への恩恵が大きい制度です。

③ 英検・外部英語検定が「使える」大学マップ

「医学部で英検は使えるか」への答えは、使える大学は少数派だが、使える場所では強力です。型が3つあるので混同しないでください。

加点型 — スコアが得点に上乗せされる

大学・方式基準(最低ライン)加点
順天堂 一般B方式(5名)英検2級(CSE1980)/TOEFL iBT42/IELTS4.0等が出願資格スコア帯に応じ英語に5〜25点加点(CSE2600以上で25点)
東邦 統一入試(約5名)英検2級(CSE1980)/TOEFL iBT42等が出願資格一次試験に最大25点加点
東京医科 推薦・英語検定試験利用(3名)CEFR B1以上(英検2級〜準1級相当・取得2年以内)B1:6点/B2:18点/C1以上:24点加点。入学後USMLE準備等の受講義務
順天堂 研究医特別選抜(2名)TOEFL iBT72〜/英検CSE2300〜目安共テ英語に最大25点加点
岩手医科 総合型(8名)4技能検定英語100点の内枠で加点(上限100点)

出願資格型 — 持っていないと出願できない(得点にはならない)

大学・方式必要スコア
日本医科 グローバル特別選抜(10名)英検準1級/TOEFL iBT60/IELTS5.0等(有効2年)
兵庫医科 一般選抜B(約10名)英検2級以上/GTEC(CBT)930/IELTS4.0/TEAP225(4技能)
関西医科 特色選抜・英語型英検CSE2300以上等(準1級相当・取得2年以内)+英語面接
埼玉医科 推薦・特別枠(2名)英検1級水準とする資料と準1級以上とする資料があり【要項で要確認】

参考扱い・利用不可 — 誤解しやすい注意ゾーン

慈恵は英語資格を任意提出の「参考資料」として扱うのみで得点になりません。聖マリアンナは全方式で任意提出できますが同点時の考慮のみ。獨協医科の推薦は任意提出・書類評価の一要素(基準はCEFR A2〜B1程度と低め)です。そして要注意の2つ——東海大学の英語外部試験利用制度は「医学部医学科を除く」と公式明記(他学部の話が医学科にも当てはまると誤解しやすい)、近畿大学の英検みなし得点制度も医学部は対象外です。藤田医科の「英検CSE2300で共テ英語180点みなし」という情報は共テ利用後期の廃止に伴い現行要項に存在せず、ウェブに残る旧情報です。

④ 地域枠・地元優先の入り口 — 学費が実質下がる場所

地域枠は「地元の受験生が優先される枠」であると同時に、奨学金・修学資金によって私立医の学費負担を大きく下げる制度です。代表的なものを地方別に並べます(人数は2026年度ベース。金額は総額目安、義務は返還免除の条件年数)。

地域大学・枠人数奨学金・修学資金卒後の義務
東北東北医科薬科 修学資金枠A/B(2027年度から宮城A10+東北5県定着枠25に再編)35A:約3,000万円/B:約2,600万円規模東北の指定医療機関に9〜10年
岩手医科 地域枠A・B・秋田+一般C・D37岩手県・市町村等の奨学金県内医療機関等(枠により異なる)
関東埼玉医科 埼玉県枠(推薦)19月20万円×6年=1,440万円県内指定地域・診療科に9年
杏林 東京都枠10学費相当約3,700万円+生活費月10万円小児・周産期・救急・へき地等で9年
順天堂 東京・千葉・埼玉・静岡ほか7都県枠301,440万〜2,800万円(都県による)9〜10年
日本医科 東京・千葉・埼玉・静岡・新潟枠20東京都2,920万円ほか貸与期間の1.5倍(9年)
東京医科 茨城・新潟・埼玉・群馬枠(推薦)15各県修学資金9〜10年
慶應義塾 栃木県枠(2026新設)12,200万円県内指定医療機関に9年
中部愛知医科 愛知県枠A(推薦)+B(共テ)10県1,110万円+大学900万円=2,010万円本学研修5年+県内公的医療機関5年=10年
藤田医科 愛知県枠(一般内)101,110万円県内で計9年
関西兵庫医科 地域指定制(推薦)/兵庫県推薦入学制度5+5県制度は4,480万円(学費ほぼ全額)県制度は医師不足地域等で9年(地域指定制推薦は義務なし)
近畿・関西医科 大阪府・静岡県・和歌山県枠(一般内)各1〜10月10万〜20万円9年
中四国川崎医科 総合型・中国四国地域出身者枠約20—(研修確約型)本学附属病院等で研修6年
川崎医科 岡山・静岡・長崎枠(一般内)24静岡・長崎は県修学資金県により約9年
九州福岡 地域枠推薦(九州・沖縄・山口対象)10—(研修確約型・奨学金なし)福岡大で初期2年+後期3年の研修
久留米 福岡県特別枠(推薦)+久留米大学特別枠4+約20県枠は月10万円×6年=720万円県枠は県内特定診療科で9年/大学枠は大学病院4年勤務誓約

※このほか静岡県は順天堂・昭和・帝京・東海・近畿・関西医科・川崎医科など多数の大学に枠を持ち(月20万円・卒後9年県内勤務)、「地元に医学部が少ない県が県外私立に枠を買う」構造になっています。新潟県・茨城県も同様に多数の大学に枠あり。金額・年数は毎年変わるため必ず県と大学の最新要項で確認してください。

地域枠の本質はトレードオフです。実質負担が数百万円台まで下がる代わりに、卒後約10年間の勤務地(場合により診療科まで)が固定されます。10年は初期研修+専門医取得の期間とほぼ重なるため、キャリア設計への影響は決して小さくありません。「学費のため」だけで選ぶのではなく、その地域で医師として働く人生を受け入れられるか——出願前に家族で決めきるべき選択です。

⑤ 推薦は本当に「入りやすい」のか — 倍率で検証する

最後に、いちばん誤解の多い問いに数字で答えます。答えは「大学による。ただし多くの大学ではっきり入りやすい」です。

大学推薦・総合型の倍率一般選抜の倍率判定
北里(指定校)1.6倍実質6.8倍大幅に有利
東京女子医科(推薦)1.9倍前後で安定大幅に有利
聖マリアンナ(公募)1.9〜4.2倍実質18.7倍大幅に有利
岩手医科(公募・地域枠)2.0〜3.9倍実質10.7倍大幅に有利
埼玉医科(公募・指定校)2.6〜3.6倍実質10倍超大幅に有利
川崎医科(総合型・中四国枠)3.0倍実質14.5〜24.5倍大幅に有利
福岡(推薦A方式・地域枠)約4.6倍実質20.7倍(2025)大幅に有利
東京医科(公募)4.7〜4.9倍実質11.7倍有利
帝京(公募)4.8倍志願46.5倍大幅に有利
兵庫医科(公募)4.2〜5.9倍10倍超有利
愛知医科(公募)2.9〜5.2倍実質8.3倍有利
東邦(総合入試)11.0倍実質20倍前後やや有利(専願拘束あり)
東海(希望の星)10.2倍(3年で倍増)実質16.7〜23倍やや有利(急速に難化中)
近畿(公募・併願可)11.4〜14.4倍実質13〜17.6倍ほぼ同水準
帝京(総合型・併願可)16.6倍併願可ゆえ殺到
久留米(公募A・特別枠)10〜18倍最終9倍前後推薦の方が高倍率

パターンは明快です。評定・現役などの出願制限が厳しい推薦ほど倍率が下がり(北里・女子医・聖マリ・埼玉医科)、制限が緩い・併願できる枠ほど志願者が殺到して一般選抜並みかそれ以上になる(久留米・帝京総合型・近畿)。つまり「推薦だから easy」なのではなく、出願資格という壁が競争を先に減らしてくれているだけです。評定4.0を現役で満たしている受験生にとって、この壁は使わない手のない武器になります。なお推薦でも学科試験(英数理の基礎学力試験)を課す大学が大半で、英語の仕上がりが年内入試の合否も左右します。

⑥ データの出所と限界

本ページは、各大学公式の募集要項・入試結果ページ・公表PDFを一次情報とし、複数の医学部専門予備校(メルリックス学院・京都医塾ほか)と受験情報サイト(河合塾Kei-Net・旺文社パスナビ・医学部受験ラボ等)の公開情報を横断照合して作成しました。数値は2026年度入試の実績を基準とし、判明している範囲で2027年度の変更点を付記しています。

限界も明記します。推薦・地域枠の制度は毎年高頻度で変わります(実際、この1年だけでも昭和医科の推薦新設、女子医の総合型新設、東北医科薬科の修学資金再編、慶應の栃木県枠新設がありました)。また情報源間で人数・基準が食い違う項目は本文に【要確認】と明記しています。出願判断の最終確認は、必ず当年度の募集要項原本で行ってください。

⑦ 授業・塾内配布でのご利用について

本ページの表・データは、出典明記のうえでご利用いただけます

塾・予備校・学校の授業スライド、塾内配布プリント、進路指導資料への転載・引用を歓迎します。その際は出典として「英語カルテ(eigokarte.com)」の表記と、ウェブ上でのご利用の場合は本ページへのリンクをお願いします。制度は毎年変わるため、リンクしておくと常に最新版を参照できます。

改変したうえで当サイトの名を出典に残す利用、および商用の再販はご遠慮ください。ご相談は info@eigokarte.com まで。

推薦でも一般でも、
結局は英語の仕上がりが土台です

推薦の基礎学力試験も、英検の級も、一般選抜も——どのルートを選んでも英語からは逃げられません。
27大学の目標得点率・時間配分は戦略データベースで、各大学の傾向は大学別ページで解説しています。

目標得点・時間配分データを見る 大学別分析を読む →

※募集人数・出願基準・倍率は各大学公式の募集要項・入試結果および大手受験情報サイト・医学部専門予備校の公開情報を横断照合して作成(2026年度入試実績基準・2027年度変更点は判明分のみ)。制度・人数は毎年変わります。特に地域枠の臨時定員は認可状況により直前に変動するため、出願にあたっては必ず当年度の募集要項原本と各県の修学資金要項をご確認ください。(最終更新:2026年8月)